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のべかん第2回 〜さよならピアノソナタ〜

2008年12月17日 siotsu

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祝・完結!
と書きたいのですが、終わってしまうのがもったいない名シリーズ「さよならピアノソナタ」です。
12月の新刊として四巻が無事発売され、シリーズ全四巻でさっくり完結してしまいました。
…しかし惜しまれつつ引退する方が名選手としてはいいのかもしれません。
個人的には2008年ベスト! 一巻は2007年刊行なので、2007年ベストと2008年ベストをあげたいくらいです。

内容を簡単にまとめると、ちょっとワケありのピアニスト・蛯沢真冬と、父親が音楽評論家で少し音楽に詳しい少年・桧川直巳がバンドやったりバンドやったりバンドやったりしながら色々ある話です。

さて、本シリーズ「さよならピアノソナタ」はスタンダードなボーイミーツガール青春小説です。彩りとしてはヒロインがピアニストだったり主人公が音楽評論家の息子だったりして、音楽ネタが豊富なことでしょう。
ヒロインがピアニストなのでクラシックネタが豊富で、さらにバンド方面からロックが入ってきます。正直なところクラシックとかロックの音楽ネタはさっぱりわからない私ですが、そこいらへんは抜きにしても楽しめます。調味料の名前が分からなくても味は分かるというか、そんなかんじ?
もちろん、わかればより楽しめるのは間違いないのですが。

とはいっても、ネタにされているのはある程度聞いたことのあるようなメジャーな人(でも曲名は聞いたことあるけどメロディーはわからないのが大半でした)が多いんですが、四巻で名前の出てたオネゲルって誰? BAeのライトニングとどっちがマイナー? とかそんなかんじで。
作中の登場楽曲は、作者である杉井光氏のWebサイト『NEET TEEN』で解説されていたりもします。興味がわいた方はそっちを読まれるのがよろしいかと。

主要っぽい登場人物はバンドの4人+ユーリ、桧川哲朗、エビチリといったところです。そのうち最初の五人は

  • 桧川直巳:ナオ。たぶん主人公。ベース、ボーカル。
  • 蛯沢真冬:まふまふ。たぶんメインヒロイン。ギター。
  • 神楽坂響子:先輩。ヒロインその1。ギター、ボーカル。
  • 相原千晶:幼なじみ。ヒロインその2。ドラム。
  • ユーリ:バイオリニスト。こんな可愛い子が女の子のはずないじゃない!

というかんじ。ユーリかわいいよユーリ。

あと、出番は多くないのですが、直巳の父親、音楽評論家の桧川哲朗がいいキャラ過ぎて困る。一番好きな女性キャラはもちろん神楽坂先輩ですが、一番好きな男性キャラは哲朗氏ですね、間違いなく。
「人間の仕事ってみんな、突き詰めていくと『他の誰かを幸せにすること』だと思うんだ」という哲朗氏。
「ところがおれは大学に入ってもその方法がわからなかったわけ」で、正直に教授に訊いたら「桧川君は人を馬鹿にする才能だけはあるから、それでなんとかしなさい」と言われてしまう。
「そこでおれはひらめいたね。だれかを馬鹿にする文章を大勢に読ませたら、馬鹿にされてない読者は相対的に少しだけ幸せになって、おれに金をくれるんじゃないかって」
ここはガチに吹きました。間違ってないけど明らかにおかしい。
こういう大人になりたいなぁ、と。

「神様のメモ帳」の時にはあんまり触れなかった気もするんですが、杉井氏は構成もしっかりしていて好きです。持ち上げて、ひねって、まとめる。緩降下から急降下して引き起こす急降下爆撃のような、って比喩がどうなのかは知りませんが、そんなかんじです。急降下爆撃ってたぶん安定してないよね。
とかく、本シリーズは文句なしにオススメです。

メインヒロイン・蛯沢真冬の台詞で、今の気持ちを表すのにぴったりそうなものがありましたので、それを引用して締めに。
「いつか、終わっちゃう。それが哀しい。ずっと続けばいいのに」

参考:
杉井光氏Webサイト:NEET TEEN

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