山の書籍二連続。今度は実録本。
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日本アルプスの登山と探検 (ウェストン著、青木枝朗訳)岩波文庫
ご存知日本スポーツ登山の父、ウェストン氏の著です。
日本人以外の人間による客観的な明治日本の姿が書かれている。
近代化以前の日本の自然と郷土風景がありありと浮かんでくる旅行記。
宣教師として明治21年、日本に訪れたウェストン氏はなんと趣味の登山を行うために単身で明治日本の山奥に踏み入り山巡りを開始。
なんというガッツ。
正直当時の日本は都市部以外は殆ど江戸時代、イギリス人から見れば蛮族同然である。
外国人による幕末の紀行文は日本の内乱の緊張と、サムラーイの首狩族っぷりを余すところ無く伝えているものが多い。
当時のこのような環境に山への情熱だけで飛び込んでいけるのは、現代日本人のゆとり的感性からするととても真似し難い冒険である。
ブリティッシュの物好きっぷりは半端無い。
そもそも、スポーツ的登山が発達する前の日本では山に登るのは猟師と宗教者以外皆無であり、猟師は生活のために山に入るのであって頂上まで昇る物好きは修験者くらいであった。
現にウェストンは行く先々の役所で登山のための許可を申請する度に、何故山に登るのかしつこく問い質されるハメになる。
当時の日本人にとって登山とは目的が理解出来ない行為であり、無駄な徒労以外の何者でもなかったのだ。
奇人扱いされてもこのイギリス人はへこたれない。
山へ登る人足を雇うのにも苦労するが、見事情熱で難題をクリアー。猟師とマブダチになる。
味方を得て、ウェストンは日本アルプスの名峰の数々をその足で踏破していくことになる。
登山道も整備されていない日本アルプス山中の描写は人間を寄せ付けない厳しさと共に、踏み荒らされていない自然の美しさを伝えてくれる。
これを読むだけで下手な景勝地に行くより癒されますよ。
肝心の内容はぜひ買って読んでね^^
書くのが面倒だからじゃないよ?
明治日本の外国人旅行記は数多くあるけれども、通して読むと何故かイギリス人がもっとも適切に異文化を理解している感じを受ける。
思えばイギリス人、探検家が多い、加えて博物学に植物学が大好きである。
もしかしたら国民性なのかもしれない。
この辺りのバランス感覚を見ると、成るほど大英帝国が成立したのも納得できる。
とまあ、益体も無い個人的偏見の話は置いておくとして、登山の話題以外にも当時の日本人の素の姿が分かる面白い一品となっています。
現代とのギャップが実に興味深い。
それにしても旅行記の類は食べ物が美味しそうに見えて困る。
保存食として登場したコンソメスープとチキンのカレー煮の缶詰は実に旨そう。