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のべかん第8回 〜16インチ核砲弾〜

2009年2月4日 siotsu

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今回は川上稔氏の「境界線上のホライゾン」でお送りします。
メジャーシリーズをあまり早い段階で使ってしまうと後のネタ切れが怖いんですが、しかしこれをすすめないわけにはいかない!

川上稔氏といえば、『都市シリーズ』『終わりのクロニクル』で電撃屈指の訓練されたファンを多数抱える作者で、終わりのクロニクル最終巻では、電撃文庫(=ラノベ)で実にページ数4桁という、京極夏彦氏と並んで「ライフル弾も止められる文庫本」として有名になりました。

川上氏の作品(群)の特徴は、なんと言っても『膨大な設定』と『世界観』そして『キャラクター』でしょう。境界線上のホライゾンは2009年2月4日現在、1の上下というわずか二冊だけが刊行されているのみですが、設定資料だけで800KB超というポルナレフ状態。まさに工作船一隻に米海軍全力出撃。
ちなみに、前回の「のべかん」原稿はタグ抜きで8KB未満でした。

川上作品に免疫がある(というか、訓練されたファン)は何も考えずに読めばいいでしょう。いつもの川上ワールドです。というか、訓練されたファンはこんなところを読まずとも買っているはず。
なので、今回は川上作品未経験者への初体験としての「境界線上のホライゾン」という方向でいきましょう。

ポイントは「分からない設定はスルー」です。世界の構造を完全に理解しなくても生きていけるように、そしてそんな風に生きていても楽しいことがあるように、分からない部分を分からないままにしても川上作品は楽しめるのです。それだけの厚さがあるシリーズです。物理的な意味だけではなしに。もちろん、他のシリーズ『都市シリーズ』とか『終わりのクロニクル』とかにも言えることですが。

さて、キャラクターは相変わらず激しく「濃い」です。川上氏の既刊作品はどれもこれもキャラクターがたいがい濃いんですが、シリーズを重ねるごとに単調増加してますから、本作で極まりました。でも多分、次巻(や次シリーズ)ではますます極まってくるでしょう。
会話そのものが豪快というか、ものすごくハイテンポで頭が悪い(最上級の褒め言葉)のですね。ラノベ読んでて吹いた作品は、本作を入れても数冊しかないはずです。
ちなみに私が好きなのは、本多正純と教皇総長・インノケンティウスです。

さて、ここまでストーリーに全く触れずに来ましたが、ストーリーを限られた紙幅で紹介することはかなり困難です。というか無理じゃね? まだ一巻しか出てないし。
ティーチングの技術で「一度に見せる情報量を減らしすぎるとかえって分からなくなる」というのがあった気がしますが、たぶんそんなかんじ。川上氏の世界を描くにはそれだけの情報量が必要なのでしょう。
しかし、ストーリーに全く触れないのも不親切なので、一巻の展開をまとめてみます。
『主人公、葵・トーリがヒロイン、ホライゾンに告白しに行く話』です。
うん、単純に言ってしまうとこれだけなんですが、なぜこれでライフル弾が止まるのかが分からない。

さて!
今、この作品を紹介した理由は他でもありません。

今ならまだ間に合う。厚さ的に。

参考:
電撃文庫Webラジオ 特別編「境界線上のホライゾン」http://www.nicovideo.jp/watch/zb4580471
境界線上のホライゾン特設ページ http://www.din.or.jp/~arm/hori/index.htm

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